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その唇に愛を
第2章 ▽ きっかけ


季節は瞬く間に9月になった。



残暑は残るものの1か月前に比べるとだいぶ過ごしやすくなったように感じる。






1学期の時と変わらず、昼休みに3人で話していると




「立石ーー、2年生の先輩が呼んでるぞ」

という声が届いた。




純は「ごめん。」と片手でジェスチャーしたあと先輩の元へ行った。





純が呼び出しってのは見慣れてる光景だけど、先輩に呼ばれてるのを見たのは初めてだった。

先輩と純はそのまま教室を去っていった。


「純大丈夫かな〜?」自然と声が出てた。


「え、どうして?」


「だって先輩からの呼び出しだよ?喧嘩とかされたら嫌じゃん。」


なにそれ〜、と彩香が笑う。

「大丈夫だよ。一緒に歩いてる感じだとそんな険悪そうじゃなかったじゃん!
それに、この学校で喧嘩ってちょっと考えられない!」


と笑顔全開で論破された。



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