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その唇に愛を
第2章 ▽ きっかけ

「おーい、出席番号順に席座れー。」
間延びした声が、会話に花を咲かせた生徒たちを静かにさせた。
(あれが担任かな。)
40代後半くらいの体格のいい先生だった。
その後、ぞろぞろと自分の席へ生徒達が戻っていく。
私たちの周りの席もどんどん生徒が座る中、
(えー、嘘でしょ…)
そう思わざるを得なかった。
右隣にさっきまで話していたあの立石くんが座ったのだ。
(何これ…少女マンガですか…?)
隣に来るとさらに圧を感じる。
決して怖い人系が出す圧ではない。
彼の周りがあまりにも澄んでいるから。
改めて近くにいると自然と緊張してしまう。そんな圧。

