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第5章 ＃4

水沢さんが微笑んだ。

水沢友哉（トモヤ）さん。


私より3歳年上。
仕事が出来て、上からも下からも人望が厚く、異例のスピードで出世している。

顔よし、性格よし。将来有望。
当然、社内の女の子の憧れの的。

結婚はしていない。


彼女は…どうだろう。

彼に関するデータはこんなもの。
社内の若い女の子の方がもっと詳しいだろう。


「以後、気をつけますのでっ」
私は頭を下げた。

「なんかあった？最近、いつも考え事してるみたいだ」

「…そんなこと」


…ないと言ったら嘘になる。
結婚式以来、直輝のことが気になって。

それから…あの頃のことが…あの頃の思い出が堰を切ったように溢れ出して。


それはふとした瞬間に私の頭と心を支配してしまう。