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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第9章 本社内はトラブルだらけ



会長室フロアーまで来るとホッとする‥
朔夜叔父様が不在なら、後このフロアーに来れるのは倉原父だけ。


そして、メンテナンス依頼が無い限り、倉原父が此処に来る事が無いのも知っているから、このフロアーだけは安全。



「アイスコーヒーと、軽食程度は用意しています美紀様」


「うーん‥アイスコーヒーだけで良いのに‥
殆ど食べないって知っているでしょう遠藤さん?」


「勿論‥
ですが夕食が遅いですので、もしかしたらと用意しているまでです」


「相変わらず過保護」


「誉め言葉と思っておきます」


フロアーを歩きながら、こんな会話はもう日常‥
あの‥遠藤さんの部屋に行って以来、遠藤さんの方も少しだけ肩の力を抜いてくれた。


今考えると、とんでもなく気を張られていたんだと切に実感‥
気付かなかった私も半分は悪いから、これだけは何も言えない。



「アイスコーヒーを持ってから、会長室に向かいますので‥」


「じゃ先に端末開いているから」


「ええ、お願いします」


此処に来れるメンバーの関係も、少しずつ変わったけど、会長室の端末のセキュリティーを解除出来るのは、変わらず私と紀永だけ。


同じフロアーに、遠藤さん用のスペースはあるんだけど、端末的に言えばホストシステム以外の全システムが、遠藤さんのセキュリティー解除レベル。


紀永曰わく、遠藤さんにホスト権限を渡しても、使いこなせないのだから仕方が無いとの事。


情報処理であって、プログラマーじゃないのが遠藤さん‥
だからホスト介入は、私と紀永の2人だけになっている。



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