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第4章 冬

食事に行くと、かに だった

半個室で、二人がけになっていて並んで座る

我が家の男たちは、いつも自分の手が汚れるから私がひたすら、食べさせている

かにを、はさみでパチンパチン切って中身を取り出していく

誠のお皿に乗せると、あっというまに食べていき、追い付かない


ねぇ？追い付かないよ。。。

違うの食べてたら？


いいだろ？

いつもは、陸が早すぎて口に入らないんだから？

詩織にも、食べさせてあげる


口に運んでくる


んっ。。。おいしいっ


ひたすら剥き続ける私に、せっせと運んでくる

両手がふさがっていて、うまく食べられない


指が一緒に入ってきて、いたずらしてくる


やめてっ。。。はさみ持ってるんだから、危ないよ？


いいだろ？詩織、今は隙だらけだよ？


手が太腿を這ってくる


誠？

はさみを向けると、諦めて食べていく


ふふっ


ん？


何でもない。。。


髪をくしゃくしゃしてくる


早く、かにをちょうだい？

クスクス笑う


ふふっ

どうぞ？


おいしそうに食べて、私にも食べさせてくる


当たり前に過ごしてきた幸せに気づいていく

私、幸せだったんだ。。。

気づくのが遅すぎたみたい。。。


何で、泣いてる？


さあ？

ふふっ

泣いてないよ？


涙を拭ってくる

泣きながら、かにを剥いていく


どうぞ？


頭をポンポンしてくる


貸して？

はさみを渡すと、誠がかにを剥いていく


ふふっ

ボロボロだよ？


食べられたら、何でもいいだろ？


私がやるよ？


はさみを置いて、抱きしめてくる


詩織がいないと、かにも剥いて食べられないよ。。。？

勝手に、離れるな。。。


っ。。。うん。。。

離して？


何だよ？


手がベタベタだから、抱きつけない。。。


そうだな

髪をくしゃくしゃしてくる


誠？

手を拭いてないのに、髪をさわった？？


ん？


やだっ。。。髪、洗ったのにっ

誠のバカ。。。


クスクス笑う

詩織は、泣いてるより、こっちの方がいい。。。

後で、洗ってあげるよ？


指がおっぱいをツツいてくる


やんっ。。。


早く、食べさせて？


どっち？

ふふっ


どっちもに、決まってるだろ？

早く、食べさせて？