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好きになった人
第1章 春
春の桜は、散るのが早い。。。

入学式だというのに、もう散りはじめている

今日は、入学式

難関受験を突破して、入れた学校を見る

両親が写真をとろうと言っている


3人で並び、カメラに笑いかけて写真をとる


仲の良さそうな両親を見ると、偽りの笑顔に吐き気がする


仲の良さをアピールしている姿が哀れだ


二人の仲は壊れているのに、どうして、こんな演技をする必要があるのだろう。。。


ふと、横を見ると同じように3人で写真をとる親子がいる

きゃあきゃあと、騒ぐ姿がむかつく

父親が、母親の荷物や歩くスピードに気をつかい笑顔で、優しく笑いかけている

息子も、不器用ながらに母親を気遣っている

仲の良さそうな親子は笑いが絶えない。。。


少し羨ましくもなり、その姿に釘付けになる


ふと、父親が私と同じ方を優しく見ているのに、気づいた


お父さん?知り合い?


私が聞くと、母親が凍りついた顔している


ふと、息子が私達の視線に気づいて目が合うと、ものすごく嫌な顔をした


コーチ?

何でいるの?


よお?

陸も合格したんだな?


隣の父親が話しかけた


陸と呼ばれた横にいた夫婦が振り向く


隣の母親と同じように、凍りついた顔している


直樹。。。何で?


詩織、うちの娘も合格したんだよ。。。

やっぱり、運命だな?


陸、茉莉だよ?

よろしくな?


ああ?嫌だね?

あと、母さんを名前で呼ぶなよ。。。?


陸は、あからさまに私を見て嫌そうな顔をしている

なによ、アイツ。。。

イケメンだと、あんなに王様みたいでも、ゆるされると思ってるわけ?


母さん、行こう?


陸と、父親が、私の両親を睨んで歩いていく


直樹、じゃあね?


きれいな顔で優しく笑う詩織と呼ばれた母親は、私の父親に笑いかけている


詩織と呼ばれた綺麗な母親は、可愛らしく笑う


陸の父親が、母親の手を引いていく


早くしろよ?


陸、着物だから早く歩けないよ。。。?


詩織、気をつけて?


仲の良い親子の会話が遠ざかっていく

父親を見ると私に、笑いかけている


サッカーチームに、中学の時にいたんだよ。。。

橘 陸 って言うんだ。。。

口は、悪いけど、いいやつだから?


ふーん?


母親は凍りついた顔をしていた








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