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第1章 春

じゃあ、詩織さんは、やっぱり幸せなんだ。。。？


だろうな。。。？


お母さんも、それなりに幸せなんだ？


多分な。。。？

それぞれ、手に入れたいものは違うからな。。。？


茉莉は、茉莉の手に入れたいものを見つけたらいいよ。。？


ふーん？

よくわからない。。。


まあな？

そのうち、わかるよ？


父親が、私に笑いかけている

詩織みたいに、かわいく笑えない私は、かわいくない。。。

どうしたら、詩織や璃子みたいに笑えるんだろう。。。


茉莉？

茉莉は、もしかして、蓮が好き？


え？


何となくだよ？

気にするな。。。？


わからないよ。。。


曖昧に答える私に、笑いかけてくる


そっか。。。


切ない横顔が、陸と重なる


え？


なんだよ？


ううん。。。

お父さんとこんなに、話したのは、初めてだよね。。。？


なんだよ？


私に笑いかけてくる

お父さんは、幸せなんだろうか？

よくわからない

お母さんも、幸せには、見えない。。。

詩織みたいに、幸せそうに笑えたら、幸せなんだと思える

そんな風に感じる私は、きっと、結婚なんてしないだろうな。。。と思う


蓮さまが頭に浮かぶ


抱きしめられた感覚が甦る





抱きしめてほしい。。。

私を好きになってほしい




欲張りな感情が出てくる


でも私が、この人の娘な限りはきっと、恋愛対象としては見てくれないだろう。。。

それどころか、憎しみしかないだろう。。。


少なくとも、陸はそういう目をしていた

好きになる前から、ダメだと言われている

蓮さまには、彼女もいる

何番目にすら、なれない。。。


はあっ。。。


何で、私はこの人の娘なんだろう。。。？


隣の父親を見る

母親は、何で結婚したんだろう？

詩織は？何で、今の旦那と結婚したんだろう？

子供の私には、わからない。。。

好きになった人は、どうして、父親が好きな女の息子なんだろう。。。

初めて、好きになった人は、どうして、彼女がいるんだろう。。。？

私を好きになる可能性は、０ではないんだろうか？

わからない。。。

私を好きになってほしい。。。

私を見て。。。？


窓から見える月を見ながら願った。。。