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第8章 夏―2.9

どこに行こうか？

今日は、茉莉ちゃんとデートだから、どこに行きたい？


どこにって言われても。。。


じゃあ、海に行こうか？


海。。。？ですか？


そう。。。

詩織は、元気が足りなくなると、海に行きたくなるんだよ

小さい頃は、蓮も陸も、海が好きで、よく叫びに行ってたな。。。


叫びにですか？


そうだよ

ほとんど、俺の不満を叫びにかな？

クスクス笑いながら話していく

元気になれるよ？


誠さんは、何か叫んだんですか？


ないな。。。

大概、詩織が不満を叫んでる


何て？


忙しい、忙しいって、私だって暇じゃねえよー

とか？


ええ。。。？

蓮さまや、陸は？


たまには、小遣いくれー

とか？


ふふっ

おもしろい


だろ？

初めは、海を見てるだけで元気になれるって言ってたのに、ある日、陸が叫んでからだな。。。

ママを泣かせるなー

ってな？


え？


陸は、マザコンだから？

クスクス笑いながら車は、海に近づいていく


わあ。。。海に来たのは、いつ以来だろう。。。

わからない。。。


何で？

アイツも、海が好きだろ？


お父さん？


あ。。。ごめん。。。

お父さんも、海が好きだろ？


わからないです

一緒に来たこと、ない。。。


そうなんだ。。。

詩織が好きだから、一緒に来てたんだと思ってたから

お父さんも、海が好きなんだと思ってた


海、きれーい。。。


キラキラしている

海が光っている

車から、降りると海の匂いがする

慣れた感じで、誠が歩いて行く

小走りについていく


どうぞ？

叫んで？


ええ？無理ですっ


だよな？


誠が海を見て、叫んでいく



詩織のバカヤローー

誰の奥さんか、わかってないだろーー


はあっ。。。すっきりした

茉莉ちゃん、どうぞ？


ふふっ


息を吸い込む


お母さんなんて、大キラーイッ

陸のバカーー


はあっ。。。すっきりしますね？


だろ？


たばこを吸いながら、見ている


海はきれーいっ

お父さんのバカーー

親子じゃないのかよっーー


涙が流れていく

悔しい気持ちが溢れていく