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好きになった人
第8章 夏―2.9
居酒屋に入って行くと、驚いてしまう

お父さんは、こんな店に来ているのを見たことがない

女の人と一緒でも、お母さんと一緒にいるときは、おしゃれなバーとかお店だ

騒がしい、おしゃれとは、かけ離れた場所が違和感を感じる

たくさんの笑い声の中に、二人の笑い声と、絡み合う声が聞こえる

本当に楽しそうに笑う二人は、夫婦にしか見えない。。。

お母さんがイライラしながら、周りを見渡しながら、お父さんに近づいていく

誠は、詩織を抱きよせて立ち上がらせていく

陸はいなかった。。。

あかりも、いない。。。

二人はどこに、行ったんだろう。。。?

二人で、どこかに、行ったのかな。。。?

心がズキンズキンする

酔っている詩織を優しく見ている誠を見る

こんなに、優しくしてもらえてるのに。。。?

お父さんを見ると、やはり、酔ってはいないようだ

酔っていたフリして、詩織をからかっていただけだ

切ない目を詩織に向けている

酔っている詩織は、気づいていない

お母さんが、イライラしながら、店を出ていく

あわてて、追いかけて行くと、ため息をついて、自分を落ち着かせているようだ

詩織と、誠が歩いてきて目が合う

誠に支えられながら歩いて行く

酔っているんだろうか。。。?

目が合うと、笑いかけてくる


ふふっ。。。茉莉ちゃんだあ?


詩織、やめろって?


ハイ、問題っ

陸は、どこに行ったでしょう?


え。。。


ふふっ。。。

じゃあね?


待って?


ブー

時間切れーでーす

教えてあげません


おい、酔ってるな?

茉莉ちゃんにまで、絡むなよ。。。


むうっ。。。誠は、この女だけじゃあ、なくて、茉莉ちゃんの味方までするんだあ?

茉莉ちゃん、この女に似て、綺麗だもんねぇ?

私は、キライ。。。

この澄ました美人顔。。。


ハイハイ、やめろって?


二人は、絡み合いながら車に近づいて行った


何、あれ。。。


お母さんが睨んでいる


ねぇ、お父さんはいいの?


わかってるわよ

先に、陸くんに電話しなさい


今?


今、ココで、よ?






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