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第8章 夏―2.9

直樹が不思議そうに、私を見る


さっきも、オレンジジュースじゃなかった？


そうよ？

悪い？


詩織、相手にするな？

ここのは、100%だから美味しいよ。。。？


誠を見る


そうね。。。


飲み物が運ばれてきて、本題に入る


茉莉ちゃん、妊娠してないのに、この先はどうやって、陸を騙すつもりなの？


直樹を見ると、ゆりを見る


妊娠してないって、言いがかりじゃない？


ゆり、病院に連れて行ったの？


もちろんよ？


バカバカしいやりとりをしていく

嘘ばかり。。。病院なんて行ってないくせに。。。

誠と、ゆりのやりとりを見ながら、携帯を見る


ロック解除できた

蓮が、誓約書の写真と、解除した番号をメールしてきた


141064011


１番初めに二人で決めた暗証番号だった


1 愛 4 し 10 て 6 る 4 し 0 お 11 り

愛してる詩織


当時、ポケベルで送った数字の読み替えだ


私の暗証番号は、14106709


1 愛 4 し 10 て 6 る 7 な 0 お 9 き

愛してる直樹


直樹をチラリと見る

愛してなんていなかったくせに。。。

何で、嫌いになりたいのに。。。

この番号なのよ。。。？

動揺しているのが、バレないようにするが、手が震える

オレンジジュースに手をかけると、震えてしまう


詩織？

顔色が悪いよ。。。？大丈夫か？


誠が私の震える手を押さえて、オレンジジュースを引き寄せてくれる

一口飲んで、誠を見る


大丈夫。。。

ちょっと、電話してくるね？


席を立ち、入り口の外に出る

蓮に電話していくが、電話に出ないようだ

あと、一時間くらいしか時間稼ぎが出来そうにないと、メールした

席に戻ると、誠が聞いてくる


大丈夫か？


大丈夫よ。。。


しばらくすると、蓮からのメールが来た


了解

今から帰って、家で待ってる


誓約書は手に入った

あとは、この二人に気づかれないように、帰るだけだ


テーブルの下で、誠の手をギュッと握る

誠が気づいて、話を切り上げていく


悪いんだけど、詩織の具合が悪いみたいだから、今日は終わりにしよう。。。

茉莉ちゃんを、病院に連れて行けよ？

妊娠してるんだったら、母子手帳なり、証拠を持ってこいよ？