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第9章 秋ー2

陸へ

陸に手紙を書くのは、初めてだね？

初めて手紙を書くのに、最後の手紙になることを許してください

陸は私に、たくさんの試練を与えてくれました

新米ママの私に、毎日、１日中泣かれてずっと抱っこする日々

歩き始めたら、見張ってないと、すぐにいたずらばかり。。。

毎日、泣きながら陸を育ててきました

サッカーしている時以外は、問題ばかり起こして、毎日謝る日々。。。辛かったです

でも、今、思い浮かぶのは、陸の私を呼ぶ声と、笑いかけてくる笑顔しか浮かばない

サッカーしている陸は、かっこよくて、いつも見ていました

いつも、私をお姫様扱いしてくれた王子様は、いつしか私から離れて寂しくなってきたけど、いつまでも私のストーカーの陸は、私よく見ていてくれたね。。。？

陸。。。ごめんね。。。？

まだまだ、ずっと一緒にいたかった

陸の夢を叶える所も見たかった

まだまだ、陸に困らせられたかったよ。。。

私は、直樹を、ずっと忘れられなかった

でも、誠のことを愛しているし、離れたくなかった

誠に甘えて、辛い時は直樹に甘えて、ズルい女だった

直樹は、陸に似てる。。。

ズルいし、嫌なヤツだけど、憎めなくて許してしまう。。。

いつも、私を困らせてくるのに、目が離せない。。。

陸にとっては、素敵なコーチでしょう？

陸も、なんだかんだ言って、直樹を嫌いになれないよね。。。？

私は誠に出逢い、蓮を産んで、陸を産んで幸せだった

誠は、いつも、蓮と陸のことを考えてくれている

素敵なお父さんだと思う

私がいなくなったら、時々でいいから、お父さんに電話してあげてね？

きっと、陸の声が聞きたいだろうから。。。

蓮は、いつも、我慢ばかりさせてきた

私がいなくなったら、蓮は更に我慢させてしまうことになるかもしれない

陸みたいに、思ってることを口に全て出せないの。。。

これからは、陸が蓮を助けてあげてほしい。。。

たった二人の兄弟なんだから、蓮が陸を助けてくれるように、陸が蓮を助けてあげてほしい

陸、私の所には生まれてきてくれてありがとう。。。

まだまだ、たくさん伝えたいことがあった

蓮と陸の母親になれて幸せでした


陸も素敵な人と巡り会えますように。。。

陸の夢が叶いますように。。。

願っています

陸、愛している。。。


橘 詩織