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好きになった人
第9章 秋ー2
唇が離れて、覗きこんでくる


期待してる?


っ。。。もうっ


体を押していくと、手を繋いで歩き出して行く


どこに行くの?


スーパーだよ?

クスクス笑いながら、いじわるそうに言う


どこだと、期待してた?


っ。。。期待してないっ って。。。?

スーパーで、何買うの?


一緒に晩御飯作ろうぜ?

母さんに教えてもらってだろ?

俺にも、教えて?


うんっ

二人で、作って蓮様を驚かせよっ?


おうっ

アップルパイも作ろうぜ?


誕生日は、ケーキじゃないの?


今日は、アップルパイがいい。。。


じゃあ、二人で作ろ?

蓮様、びっくりするねー?


いつも、兄貴が作ってるからな。。。

俺も、作れるように頑張るよ


そうだね?

陸、なんにもできないもんね?


お母さんが甘やかして、育てたからだろ?


後ろから、蓮の声が聞こえて振り向いた


何で?


それは、こっちの台詞だろ?

お前ら、試合見に行ったんじゃなかった?


変更したんだよ

兄貴こそ、出かけたんじゃなかった?


まあ、お前らと同じだな?


じゃあ、一緒に作りましょう?


蓮と陸の間に入ると、二人がクスクス笑う


たまには、楽させてもらうよ。。。

茉莉と頑張って作れよ?

夕方には帰るから、一緒にお祝いしよう


ああ。。。

わかった


蓮が、自分のかごを陸に押し付けてスーパーから出ていった


たくさん、買い物していく

両手一杯に買い物して帰る

荷物を置くと、疲れが押し寄せてくる


お母さんって、大変なんだね。。。

献立考えて、買い物して、掃除して、洗濯する

晩御飯を作って、座る暇もない。。。


そうだな。。。

晩御飯、勝手に食べなかったり、遅い時間に洗濯出したり、母さんに迷惑かけてたんだなあって反省したよ

そりゃ、怒るよな。。。


そうだね。。。

私も、気をつけるようにする。。。


陸と、洗濯物をたたんでいると、詩織はいつも1人でしてたんだなって、うちのお母さんも、そうなんだって気付いた

当たり前の日常が、当たり前じゃなくなるなんて、どんなに辛いことだろう。。。





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