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Blood of Love
第1章 秘密の森

───幼い頃、森で迷って泣いていた私のところに
あなたは優しく声をかけてくれましたね。
『どうしたの?なんで泣いてるの?』
『道に…迷っちゃったの…』
『そうなの?お家はどこ?』
『人世村…』
『君、人間なの?』
『うん…そうよ』
『そっか。僕は吸世村なんだ』
『吸血鬼なの?』
『うん。だけど怖がらないで。何もしないよ』
『大丈夫、怖くないわ』
当時の私は吸血鬼がどんなものなのかも知らなかったから、
もちろん人間の血を吸うなんてことも知らなかった。
『…君、名前は?』

