この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blood of Love
第4章 パーティー

小さい頃から通ってきたこの秘密の森。
だけど、その秘密の森から向こうに抜けるのは今日が初めてだった。
「お母様、すごいわ。私、この森の先に行ったのは初めてよ」
「そうね。大丈夫、怖くないわよ。
吸血鬼が襲ってきたりはしないから」
「ええ」
大きな木をたくさん通り抜けて、やっと出口が見えてくる。
「ほら、あれよ。森を抜けた先にすぐにお城があるの」
「あの白い建物ね!」
「そうよ」
ついに森を抜け、私達の前に大きなお城が飛び出す。
思っていたよりもきれいなところで、
もっと薄暗いのを想像していた私には、ここが吸世村だとは思えなかった。
「なんだか、人世村とそう変わらないみたい…」
青空もある。
小鳥も飛んでる。
お花畑だってある。
お城の向こう側には、小さく街らしきものも見えた。
「陛下、お妃様、エミリア様。到着致しました」

