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Blood of Love
第2章 10年目の約束

「レースに、1番に会いたかったの」
「エミリア…」
レースが微笑み、そっと引き寄せて私に軽くキスをする。
私はレースの綺麗な金髪を、優しく撫でた。
「でもレースこそ大丈夫なの?
私もそうだけど、レースだって吸世村の王子じゃない」
「大丈夫さ。従者に散歩してくるって言ってあるから。
もう何年も続けてきたことだし、今更だよ」
「それもそうね」
私たちは顔を見合わせクスッと笑う。
「レース、今日で出会って10年目よ」
「ああ、もうそんなに経つのか」
「時って早いわね……もう16歳になってしまったんだもの」
私とレースは近くの木陰に座った。
涼しい風に当たりながらいつものように会話をする。
そう思っていたけど、今日は少し違った。
レースが私の顔を真剣に見つめる。
「……16歳になったエミリアに…大事な話があるんだ」

