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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
縣は光の顔を大きな手で覆い、情動に任せ濃厚なくちづけを繰り返す。
熱いくちづけの後、懇願するように低く呟く。
「…光さん…見合いなどするな…」
「…んん…っ…い…や…!」
光が渾身の力を振り絞り、縣を突き飛ばす。
縣ははっと我に帰る。
光は美しい瞳に涙を滲ませ、震える唇を噛みしめる。
「…なぜ…?…貴方は私のことなんかどうでもいい癖に…!私のことなんか…もう…構わないで…!」
「光さん…!待ってくれ…!」
追い縋る縣の手を突き放し、光はそのまま涙を拭いながら部屋を走り出た。

「…何をしているんだ…私は…!」
縣は激しい自己嫌悪に陥りながら、テーブルの上の光の絵を見つめる。
…光の愛の眼差しから力なく目を逸らす。

冷静さを取り戻した縣は、苦しく思い起こす。
…光さんの傷ついた、哀しみに満ちた眼差し…。
光さんは様々なものを諦めて、苦渋の選択をしたというのに…。
…私は…私は…彼女に何を言った?何をした?
「…私は…最低だ…!」
拳を壁に振り下ろす。
痛みは全く感じない。
自分を罰するように拳を振り下ろし続ける。
「…最低だ…!」



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