この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 16区の恋人
二人の眼差しが濃密に絡み合う。
…先に視線を外したのは縣だった。
そして、握っていた光の手もそっと外す。
光の手が無意識に縣の手を求め、動いた。

縣はそれから目を逸らし
「…すまなかった…」
「…え?」
「…行きなさい…」
光の瞳が失望に曇る。
「…縣さん…私…」
言葉を遮る。
「…彼が待っている。…行きなさい」
光は何か言おうとしたが、それはとうとう言葉にならず、静かに立ち上がり、スカートの衣擦れの音を立てながら部屋を後にした。

縣は暫く暖炉の爆ぜる火を見つめていたが、ゆっくりと立ち上がると窓辺に近づいた。
レースのカーテンを少し手繰り上げる。

窓からは玄関前に佇み、光を待つフロレアンが見えた。
ややもしてフロレアンに光が歩み寄る。
満面の笑みでフロレアンは両手を広げ、光を抱きしめた。
そして、愛おしげに光にくちづけする。
フロレアンは笑いながら何かを語りながら、光を門の外にいざなう。
光は少し歩みを止め、縣の部屋の方を見上げた。

縣が素早くカーテンを下ろすと、光は何かを諦めたような表情をして小さく溜息を吐き、フロレアンに肩を抱かれて門を出た。

縣は瞼を閉じた。
「…仕方ないじゃないか…。光さんにはフロレアンがいる。…引き止めても彼女を苦しめるだけだ…」
彼は小さく呟くと、そのまま窓辺を離れた。

/133ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ