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背徳の主
第5章 彩乃
次の日、彩乃は名刺に記載された「Mid Night 」を尋ねた。

「Mid Night 」は街のはずれにあり、平屋のランジェリーショップだった。

店内に入ると数人の女性客が、ブランド毎に陳列された下着を選んでいた。

彩乃はチェックカウンターにいる女性の従業員に声をけた。

「あの…東城さんいらっしゃいますか? 私は南と申します。」

「あ、店長ですね。しばらくお待ち下さい。」

その従業員は内線で

「店長、南さんが見えられました。」

「はい、わかりました。」

従業員は受話器を置くと

「ご案内します。こちらへどうぞ。」

一番奧の御手洗いの先に「オフィス」と記載されたドアがあり、

「あのドアの先がオフィスとなります。どうぞ。」

従業員は早々に店内に戻っていった。

彩乃はドアをノックした。

「どうぞ。」

部屋の中に入るとコの字に配置されたデスクが3台、壁側には来客用の応接ソファ―とテーブル。

東城は一番広いデスクでパソコンのモニタ―を眺めていた。

彩乃を応接ソファ―に勧め、テーブルに1枚の紙を置いた。

「昨日の契約内容を書面にした。確認して同意するならここに署名と捺印してくれ。」

彩乃は内容を確認した。

昨日の東城からの提案が正確に記載されている。

彩乃は署名して捺印し、東城に渡した。

「この瞬間から、お前は私の女 彩乃だ。」

「よろしくお願いします。」

「彩乃、今仕事は?」

「してません。無職です。」

「今ここのショップで新しくオープンする「Night Life 」の従業員が1名欲しい。」

「待遇は月給で手取り20万円、年2回賞与2カ月分。勤務はpm 1:00からpm 11:00、休みは週1のみ。」

「仕事の内容は、「Night Life 」 での接客販売、仕入等の責任者。プロモーションDVD のモデルも。」

「ここで扱う商品は、大人のおもちゃ。どうだ?」

彩乃には願ってもない話だった。

「はい、ここで働かせて下さい。」

「でも、大人のおもちゃは聞いたことはありますが、知識も使用したこともありません。」

「心配しなくていい。商品知識は私が追々教える。それに今晩お前を抱く時に使う。」

彩乃はいきなり「今晩抱く。」と聞かされ戸惑った。
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