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背徳の主
第5章 彩乃
「勤務は明後日から始めてくれ。それと制服はさっきの千夏から貰って帰れ。」

東城はデスクの引き出しから封筒とカードを取り出した。

「この封筒には20万円入っている。次回の給料日までの繋ぎだ。」

「これは私のマンションのカードキー、呼び出しを受けたらこのキーで中に入れ。ベルは押さなくていい。」

「私が帰り着いてなくても、部屋で待っていてくれ。」

「私の呼び出しが無い時はマンションに来るな。他の女が来ている時がある。」

「彩乃はそんな女の中の一人に過ぎない。」

東城は一方的に話しをしてから

「以上だ。 何か質問は有るか?」

彩乃はしばらく考えてから

「いえ、何もありません。」

「ショップの閉店は11時だから、今晩はそれくらいの時間にマンションに来てくれ。」

東城から封筒とカードキー、それにマンションの住所を書いたメモを渡された。

帰りに「Mid Night 」の千夏から制服を受け取り、ショップを出た。

彩乃にとっての奇妙な個人再生が始まる。
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