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愛憎
第2章 再会と過去
わいわいとした病室の風景は、父が死ぬ直前まで行われていた。

父や誠、萌が誕生日の時、ゆうは積極的に誕生日会を開いてくれた。

萌と誠はその間に2年の月日が流れていた。

萌は平日小学校の帰りに顔を見せるようになっていた。

『ねぇ…ゆうちゃん…、ボクも萌ちゃんみたいに学校通える日がくるのかな…』

誠も院内教室に通い、小学校の勉強を始めていたが、ドナーが見つからない今、外出出来る時は出来るが、予断を許さない状態だった。

ゆうちゃんは不安がる誠の手をギュッと握りしめ、

『大丈夫よ。その内まこちゃんに合うドナーの方に出会えるから』

と言った。


その1ヶ月後、本当に誠の血液細胞に合うドナーに出会えたのだ。


二年間、誠に積極的に接して来たゆうは、有頂天となり、誠がいる病室に駆け込むなり、

『まこちゃん!大変!ドナー見つかったわ!』

と、誠と萌に言った。

誠と萌、そして家族は、病室内で歓喜の渦に呑み込まれた。

『しっ!ここは病院ですよ』

ハッとなったゆうが、有頂天になり過ぎていた説得力のない注意にみんなで笑った。


その次の日から骨髄移植が始まった。

骨髄移植後も、感染症のリスクがつきまとうため、無菌室に入ることになる。

その中に5ヶ月ほどいた最中に、萌の父は亡くなった。

肺炎にかかってしまったのだ。

母と萌は付きっきりとなり、父の看病をした。


しかし、その甲斐なく、父は他界した…。

父は意識が無くなる前に萌に言った。

『まこちゃんに出会えて、本当に良かった。
そのお陰で入院生活が凄く楽しいものになったよ…』

人工呼吸器から、父の笑い声が漏れる。
その後に
『渡邊さんみたいに、萌も患者さんが苦しい状態から抜け出せる人になって欲しいな…』と。

萌に言ったのだ。



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