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友達のままがいい
第4章 過去(高校生)…
私たちは中学を卒業し、それぞれの高校に進学した。
みんなバラバラになる中、私と彼だけは家から通える同じ高校に入学する。
高校卒業してすぐに働きたい私たちは情報科を選択した。
2クラスしかない情報科では久しぶりに同じクラスとなる。
あの日以来、私と彼の距離は縮まった。
2人でいることが多くなる。
そして
2人で帰るときは手を繋ぐようになった。
付き合っているわけでもない。
だけど、いつの頃からが自然と手を繋ぐようになった。
彼にとっては意味があまりないのかもしれない。
理由を知りたいと思ったこともあった。
だけど怖くて聞けない。
この幸せの時間を守るために沈黙を守ることを決めた。
この頃には私は彼に恋していた。
きっかけなどはなかった。
いつの間にか目で彼を追うようになり、そんな自分に気が付いた。
その時に、あの日の彼女への嫉妬の意味を自覚した。
そう、ずっと前から私は彼に恋をしていた。
「2人って同じ中学だよね。仲いいけどつきあっているの?」
入学当時は、良くそんなことを聞かれた。
すごくうれしかった。
みんなに、そんな風に見えるということに。
だけど、こう言うしかない。
「え~?そんな風に見える?ただの友達だよ。小学校からの腐れ縁。ねぇ~?」
彼に話を投げる。
「そうそう。俗にいう幼馴染?」
私の頭をくしゃくしゃする。
それさえも、うれしい。
自然と笑顔になる。
いつも彼といると笑顔でいられた。
だからなのか。
高校での私印象は『いつも笑顔で明るい子』と位置付けられた。