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友達のままがいい
第2章 現在…
月半ばの金曜日は、さほど忙しくもない。
何も変わらない仕事をこなし、なんのアクシデントもなく時間が過ぎて定時に終わる。

『優秀な文香は定時に仕事終了!!のりはどうんな~??』

更衣室で着替えながら彼・則孝にLINEを送る。
すぐに既読になり返事が返ってくる。

『お前、遅すぎ~(笑)それで優秀って言うなよなぁ(笑)(笑)角のコンビニで待ってるから即効で来いよ!!5分以内にこなかったら、お前のおごりなっ』

にやにやしながら打ち込んでる姿が目に浮かぶ。

「むかつく・・・好きなのに、むかつくんですけどぉ~・・・?言われなくても即効で行く
に決まってるじゃないの」

悪態をつきながら、それでも今から会えることに自然と笑みがこぼれる。
1秒でも早く会いたい私は、朝選んだ洋服に着替え会社を後にする。

事務所をでて200m先にコンビニがある。
彼がそこまで迎えに来るのも珍しい。
いつもは、行きつけの居酒屋で待ち合わせが多いから。
まぁ、私の方が待たされる確率が多いんだけど。

コンビニに近づくと駐車場に彼がいる。
コーヒーを飲みながら私を待っている。
その光景だけで、私はキュンッとする。

乙女かっ!!私

などと自分に突っ込みを入れながら平静を装って彼に声をかける

「おごり阻止!!」

仁王立ちになり勝ち誇った私に彼は大笑いをする。

「どや顔で言うなよ」

そういいながら、ポケットから缶コーヒーを取り出し私に投げる。

「とりあえず、おつかれさん」

そんなささいなことでも、やっぱりうれしい。
久しぶりに会ったというのもある。
それ以上に笑顔で迎えてくれたことが何よりもうれしかった。
この笑顔を守るために私は。。。。

「はぁ~??飲みに行く前に缶コーヒー??ありえな~い。美味しくビール飲むために水分断ちしてるのに」

受け取った缶コーヒーを投げ返す。
それを受け取った彼は先ほどよりも豪快に笑い私の頭をくしゃくしゃと触る。

「はいはい。それはどーも失礼しました!!じゃっ、さっそく飲みに行くか」

下から顔を覗き込みながら彼は言う。
そんな彼に私は頷くことしかできない。
頷きながら恥ずかしいのを隠すために彼より先に歩き出した。
毎回彼と行く居酒屋へ。

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