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友達のままがいい
第5章 未来…
「やっぱり…泣くのな?」
唇を離し静かに聴いてくる。
彼に言われて泣いていることに初めて気が付く。
何も言えなくて、ただ涙を流す。
私の涙を拭きとってくれるその手の温もりが私の気持ちを荒立てる。
「…ごめん…また…傷つけたよな…あの時みたいに…」
彼の声が震えている。
その言葉に、彼もまた同じ記憶を辿っていたのだと気付く。
私はただ首を横に振るしかできなかった。
言葉がでてこない。
言葉にしたら『好き』という二文字を言ってしましそうで怖かった。
長年守り続けてきた私の願いを壊しそうで怖かった。
彼は起き上がり私からペットボトルを取り上げると、勢いよく半分を飲み干す。
向かい合って座る形になり彼が私の髪の毛を撫でてくる。
「…なぁ…もう自由になっていいよ…」
悲しそうな瞳で見つめながら静かに話す。
しかし、その意味が分からない。
「どういうこと?」
吐き出すように彼は続けた
「ずっと…中学の時から…俺はお前を縛り付けてる。…友達という名に縛られ、振り回されてるだろう?お前は。…俺の味方でいてくれるのはうれしいよ。けど…俺に振り回されっぱなしで…お前は幸せじゃない。いつも泣かせてばかりだ。だから…友達という名から自由にしてやる…解放してやるよ」
今にも泣きだしそうな…そんな笑顔で告げる。
何を言っているのか理解できなくて混乱する。
ただ唇を噛みしめてうつむき続けるしかなかった。
「夜中にごめんなっ…今日はタクシーで帰るわっ」
それだけ言って彼は静かに部屋を出て行った。
唇を離し静かに聴いてくる。
彼に言われて泣いていることに初めて気が付く。
何も言えなくて、ただ涙を流す。
私の涙を拭きとってくれるその手の温もりが私の気持ちを荒立てる。
「…ごめん…また…傷つけたよな…あの時みたいに…」
彼の声が震えている。
その言葉に、彼もまた同じ記憶を辿っていたのだと気付く。
私はただ首を横に振るしかできなかった。
言葉がでてこない。
言葉にしたら『好き』という二文字を言ってしましそうで怖かった。
長年守り続けてきた私の願いを壊しそうで怖かった。
彼は起き上がり私からペットボトルを取り上げると、勢いよく半分を飲み干す。
向かい合って座る形になり彼が私の髪の毛を撫でてくる。
「…なぁ…もう自由になっていいよ…」
悲しそうな瞳で見つめながら静かに話す。
しかし、その意味が分からない。
「どういうこと?」
吐き出すように彼は続けた
「ずっと…中学の時から…俺はお前を縛り付けてる。…友達という名に縛られ、振り回されてるだろう?お前は。…俺の味方でいてくれるのはうれしいよ。けど…俺に振り回されっぱなしで…お前は幸せじゃない。いつも泣かせてばかりだ。だから…友達という名から自由にしてやる…解放してやるよ」
今にも泣きだしそうな…そんな笑顔で告げる。
何を言っているのか理解できなくて混乱する。
ただ唇を噛みしめてうつむき続けるしかなかった。
「夜中にごめんなっ…今日はタクシーで帰るわっ」
それだけ言って彼は静かに部屋を出て行った。