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淳、光と闇
第16章 省吾からの旅立ち
「全く。
最近の若い経営者という物は
人への挨拶の仕方も心得ていないわ。

最近では竜馬がその中で
多少なりとも心得がある程度。
全く、情けない話だ。
それに引き換え
淳ちゃんはきちんと作法を心得て
気持ちの良いくらいの
礼儀を身につけておる。

恐らくお亡くなりになられた
御母堂の厳しい
しつけの賜物であろう。
本当に、淳ちゃんは
良く出来た子じゃわい。」

「また旦那様の
淳ちゃんびいきが始まりましたね?」

にこにこと笑いながら由美が

省吾をからかった。

「おいおい。
由美君、わしはお世辞など
言っておらんわい…
本当の事じゃでな…」

「はいはい…」

「それで二件目は?」

「はい、その淳ちゃんの
事で御座います。」

「なんと!
淳ちゃんがどうかしたのかね?」

「はい。
実は、最近淳ちゃんは
多忙の為、中々旦那様に
お仕えできぬと
心痛めておりました。
そこで…
優子さんにお願いして
明日、一日旦那様に
お仕えしたいと
申し出が御座いました。
旦那様、
いかがなされましょう?」
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