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第6章 新しい出会い

「お前こんな可愛い子とどこで知り合ったんだよ」
何事もなく話し掛けてくる陸。

俺の気のせいか...。
そんなことを考えていると、ガタンっと勢いよく茜が立ち上がってぺこっと頭を下げた。

「あ、あの、初めまして。純さんとは、職場が一緒で...」
そこまで言った茜の動きも一瞬止まった。
「あ、あの...どこかで...」

「あ、ああ、うん、まぁ...」
陸の慌てる姿がまた一段と俺の不安を大きくさせる。

「えっと...」
そんな陸の姿を見つめ考え込む茜。

溶け始めたように感じた気持ちがまたむくむくと顔を出してくるのを感じながら俺はそんな茜をじっと見つめた。

「あ、電車...」
茜が何かを思い出したかのようにパッと顔を輝かせて続けた。
「あの時はありがとうございました」

そこまで聞いたらもう確実で。

完全に黒く大きく復活した気持ちを抱え、茜の腕を掴んだ。

「もう俺たち行くから」

「あ、ああ、うん、またな」

「ちょっ..え、純さん？あ...あの、失礼します」
腕を強く引かれながらも茜が律義に頭を下げる。

そんな姿がまた更に俺をイライラさせた。