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伝わらない想い
第7章 素直な気持ち
それでもまだ私の仕事は終わらない。

テーブルを拭き、食器を洗い、残った食材の処理...。
片付け作業を1時間程して、やっと終わる。

ふぅっと一つ息を吐いた。

「蘭、お疲れ」

「お疲れ様」

「手、大丈夫か?」
絆創膏を貼ってもらった指を指す。

「あ、大丈夫、ごめんね...ほんと」

「...よかった」
そう言ってカウンターに腰掛けた。
「どうだ?1杯...」

「え?」

こんなことは珍しい。

いつもはお店の片付けが終わるとすぐにお母さんが待っている家に帰るのに。

「たまには良いだろ?」
そう言ってビールの入ったグラスを差し出してくれた。
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