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伝わらない想い
第8章 人を愛するということ
「....だから、うるさいってば」
彼女の右手が大きく振りかぶって、叩かれると思い目を瞑った。

でも、覚悟した痛みを感じることはなくて、ゆっくりと瞳を開ける。
そこには、彼女の腕をぎゅっと掴んでじっと彼女を見る陸の姿があった。

「お前ら何してんの」

「...純さんっ」


「これ...、どういうこと?」
陸が静かに言った。

「...」
「...」

「何があったか解らないけど、とりあえず店の中だから」

「この子が先に手出したのっ」
掴まれた腕を振りほどき彼女が言った。

「それはっ...っ」
言いかけてやめる。

陸を、傷付けたく...ない。

「蘭?」
陸の優しい目がこちらを向く。
その目を逸らすように下を見た。
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