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伝わらない想い
第8章 人を愛するということ
「私、陸のことが好き」
ぽろっと口から零れ落ちる。

「...へ?」
素っ頓狂な声。

「私、陸のことを愛してる」
今度は陸の目を見て力強く口にした。

絡み合う視線。
一瞬の沈黙がその場を支配する。

『お待たせしましたぁ』とその沈黙を破るように店員さんの声。

本当、間が悪い。

そのちょっと変な空気を悟ったのか、しどろもどろに「あ、えっと…アイス珈琲の方は...」とオーダーの確認をする彼女に、「あ、俺です」と陸もまた動揺したような声を出した。

アイス珈琲を陸の前に、そして残りのホット珈琲を純の前に置いて彼女が去っていくと、またその場にちょっとした沈黙が流れた。
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