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伝わらない想い
第2章 恋の始まり
「俺は、優希のことが好きで…でもあんな別れ方しちまって…もう女は好きにはならないとか思ってたんだよ」

顔が赤くなる。
でも、薄暗い店内のお陰で、俺は素直に自分の気持ちを言えた。
それにきっと、酒のせいだとも思ってもらえる。

「でも…その…好きになっちまったんだよな…」

そこまで言って、俺は一つ息を吐いた。

「相手は?」

「わかんねぇ」
俺だって知りたいよ。

あの娘の名前すら知らないのに…。

俺は恋に落ちてしまったんだ。

そして、話し掛ける勇気すらない。

純は「話し掛ければ良い」とか簡単に言うけど…。

「あぁ…ダメだ俺、良い年して…」

「年とか関係ないだろ…人を好きになるのに」
純からそんな言葉が出てくるなんて…。

「…」
少しその言葉に勇気を貰う。

「それに俺らまだ30前だし」

「はは…そっか」

俺たちはまたグラスに手を伸ばした。

「ああー…好きだぁぁぁ」

俺は酒の力を借りて今の気持ちを思いっきり叫んだ。
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