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伝わらない想い
第4章 幸せを願う
そんなことを思っていたからか、その運命の神様とやらがきっとまたいたずらをしたみたいで。

俺の視界に彼女の姿が飛び込んできた。

こんなに人がいるのに。
いつもの通勤電車でもないのに。
どうして彼女と巡り会ってしまうのか...。

1度視界に入ってしまうと逸らすことが出来ない。
それだけの魅力を彼女は持っていた。

扉に押し付けられるように立っている彼女。

その時、彼女の頬を伝う一筋の光が見えた。


...え、泣いてる?!

よく見ると、彼女のすぐ後ろに立つ男の様子がおかしい。
彼女と初めて会ったあの時の奴よりも明らかに興奮しているのがここからでも判った。

俺の頭の中で血液が一気に沸き上がる。

彼女を助けるために人混みを分けると、周りにいる人は怪訝そうにこちらを見てきたがそんなの関係ない。

...汚い手で、彼女に触るな。
俺は勢いよく男の手を引き離した。
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