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友達でいるしかない
第5章 変わらない想い
高校入学式当日、遠回りをして文香を迎えに行く。
同じ学校に通うのは伊藤美鈴と3人だけ。
文香と俺は情報科、美鈴は普通科に別れた。

家から出てきた文香の格好にドキドキする。
真新しい制服は男女共にブレザー
ひざ丈のチェックのスカートにハイソックス。
紺のブレザーが彼女のかわいさを引き立たせる。

誰にも渡したくない。

独占欲が沸いてきた。
それとなく彼女の手を握る。
彼女は何も言わずに握り返してくれた。
ホッとして、そのまま桜並木を歩き高校の門をくぐった。
入学式の前にクラス表の掲示板を覗きに行くとうれしいことに同じクラスだった。
お互いホッとして、新しい教室に向かう。
教室に向かうと同じ中学から上がってき奴らも数名。
軽く挨拶を交わし、指定された席に座った。

暇さえあれば文香と一緒にいた。
俺たちの周りに友達が集まり、いつも賑やかに学生生活を楽しんだ。
いつも笑っている文香を見るのが幸せだった。
いつも一緒にいるためか、他のクラスの奴らからはつきあっていると思われていた。
それを否定する気はない。
そのままそれが本当になればいいとさえ思えた。
そう思っても文香は否定する。

「え~?そんな風に見える?ただの友達だよ。小学校からの腐れ縁。ねぇ~?」

悪気はないと分かっていても、即座に否定されて落ち込む。
だけど俺は笑ってそれに乗っかるしかない。

「そうそう。俗にいう幼馴染?」

文香の髪をくしゃくしゃにしてじゃれて見せる。

「それで幼馴染~?仲良すぎるんですけど~」

「じゃ、お前もしてやるよ」

目の前の友達の頭を文香以上にくしゃくしゃにする。

「則孝~~やめろ~~」

2人で頭をくしゃくしゃにしながらはしゃぐ。
そんな関係が好きだった。
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