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友達でいるしかない
第8章 届けたい気持ち
ゆっくりと立ち上がりドアを開ける。
中にはコタツに入っている文香の後ろ姿があった。

「寒いから、コタツ入りなよ」

コタツ布団を上げて上がってこいと促す。
その先に何があるか分かってるのだろうか??
何もないと思ってるのだろうか。
俺が男だということ忘れてるのだろうか。

「則孝??」

動こうとしない俺に呼びかける。

「なぁ…分かってて誘ってんの??それとも…」

キョトンとした顔で俺を見てくる。
何も分かっていない。
俺のさっきまでの想いが何一つ伝わっていない。

「…人がせっかく…手放そうとしてるのに…」

「則孝?」

俺は黙って部屋に上がり込み、文香を後ろから抱きしめた。
肩に顔を乗せ文香をしっかりと抱きしめる。
もう、とまらない。

「好きだよ…文香」

今まで押し込めていた想いが初めて言葉になる。

「ずっと好きだった…他の奴とつきあっててもずっとお前だけを見てた…お前が俺と友達でいたいのは分かってる…恋愛感情がないのも分かってる…けど俺はお前が欲しい…」
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