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友達でいるしかない
第8章 届けたい気持ち
文香の言葉に俺も限界が近いことを知る。
顔を上げて指で割れ目をなぞる。
文香に覆いかぶさりながら耳元でささやいた。

「早く…ここに入れたい」

指に力を込めていようとする

「ダメ!!」

文香が大きな声をだし腕をつかむ。
咄嗟の事に何が起こったのか分からない。

「どうして??」

「…ごめん…無理……です」

「なんで…?俺の事、好きじゃないの?」

俺の問いに顔を隠し首を横に振る。
嫌いではないらしいが…拒む理由がわからない。
やっと気持ちが通じて何もかも一つになりたいと思ったのは俺だけなのか。

「文香…?」

どうしたらいいか分からず頭を優しく撫でる。

「顔を見せて…文香?」

一向に顔を見せようとしない文香の手を外そうとするが必死で俺の手から逃げる。
早急すぎたのだろうか?
気持ちが通じても、俺はやっぱり泣かせてしまうのか。
俺はお前の笑顔がみたいだけなのに、それはそんなに難しいことなのだろうか…
さっきまでは終わってしまうことしか頭になかった。
それがお互いが好きなことが分かり、それだけでいいはずだ。
長い間、待ったんだ…
今更慌てることもない。
気持ちは通じたのだから。
文香が俺の事を嫌いじゃなければそれでいい。
文香を抱きしめて顔を押さえている掌にキスをする。
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