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指先
第2章 好奇心
「いいの?」

「断ってもいいんですか?」

「だめ。」

社内でも絶対近づいちゃだめな人ってわかってる。

でももっと山岸さんを知りたいの。

おかしい…こんな 甘えてくる男は大嫌いで

タイプじゃないのに。

大人しくて真面目そうな男のほうが好きだったのに。


山岸が加奈子に抱きつく。

ホテルの部屋の暗がりのライトスタンドで

山岸の顔が妖艶に映る。

いつも職場で見かける社交的で可愛らしい顔はなく

どこか寂しげ。

想像以上に優しく加奈子の背中に触れる山岸の優しい指先。

心地いい…身体がもっと触ってとうねる。

加奈子は喘ぎ声が自然に出る。

自分でも驚いた、こんなに声出したことないのに。

恥ずかしくてつい斜め下を見るふりをする。

「何考えてんの?俺だけ見てよ。」

山岸は加奈子の頬に手をクイッと寄せ、

柔らかい唇で襲ってくる。

「加奈子、可愛い。」

「山岸さっ…ん…」

山岸は私の泣きそうな顔に惚れたと言ってくれる。

シャツからネクタイをスルリも解く姿に

加奈子はゾクッとした。

なんでよりによってこんな人と

イチャついてるんだろう。



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