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第27章 【二十七話】恋の行方＝結婚？

　茨だったら童話で茨姫があるから絡め取ってって感じだけど、それと『恋の行方』はなんだか違う。

「蔦……ねぇ。蔦に花言葉ってのもなんだか妙だけど、『結婚』だ」
「『恋の行方』……ゴールは結婚？」
「そういう見方もあるな」

　『結婚』という花言葉を持つ蔦をモチーフにするから問題ないと言うことなのだろうか。

「槇はずっと、デザインについて悩んでいましたね」

　美哉はもう一度、試作品を見た。ネックレスというから、金や銀でできているのかと思ったけれど、これはどう見てもプラスチックだ。色は白。これを見て、槇は『違う』と言ったのだろうか。プラスチックと金や銀などの金属とはまったく違うし、さすがに槇だって試作品だから……って、あれ？

「あの、すみません」
「はい、なんでしょうか」
「この試作品ってどうやって作ったんですか」

　美哉の質問に、部長はにこやかな笑みを浮かべた。ちなみに部長は男性だけど、かなり距離があるので喋るくらいならどうにかこなせている。

「そこにある、３Ｄプリンタを使用しました」

　そういえばさっき、３Ｄプリンタがどうとかって言っていた。

「紙へのプリントアウトは２Ｄですが、これはデータを立体的に出力してくれます」
「へぇ」
「もちろん、データが３Ｄであることが前提ですけど、思ったより簡単に作れるんですよ」