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恋の行方を探してください【完結】
第28章 【二十八話】『恋の行方』のデザイン
 ドアがノックされて、一人の女性が入って来た。茶色く染めた髪をカールした、かなり派手な格好の女性だ。服装もスーツとはいえ、胸元が開いて見えるあたり、男性を誘っているとしか思えない。

「槇さん、まだ出てこないの?」

 と入室してくるなり口を開いた女性に、美哉は目を点にした。

「槇なんて、もうこの会社に来なくていいわよ」
「山岡くんっ」
「だってあいつのデザインはいいかもしれないけど、人間としては最低だよ。『同じオンナを二度抱くことはない』だよ? ふざけんなっつーの」
「……………………」
「山岡篤美さん」

 由臣は目を細め、口角をあげて、山岡に視線を向けた。

「って、あんただれ?」
「槇の行方を探している探偵だ」
「えー! 探偵って本当にいるんだ! 初めて見た!」

 と山岡は場違いな声を上げたが、部長に制されて、ようやく大人しくなった。

「今の話、もう少し詳しく教えてもらえますか」
「今のって、槇が同じオンナを抱かないってところ?」
「はい」
「ところで探偵さん、槇を見たこと、ある?」
「写真でなら」

 と由臣は言うが、美哉は槇の写真を見たことがなかった。見られるのなら、後で見せてもらおうと美哉は思った。

「そこそこいい男だったでしょう?」
「俺には負けるけど」
「ぎゃはは、探偵さん、うけるー! うんうん、分かるよ。あんたの方がいい男だよ!」
「そりゃ、どーも」

 由臣が本気で言ったのか、冗談で言ったのか分からなかったが、由臣は山岡の返答に少し機嫌を悪くしたようだった。
 自分で振っておいて機嫌を悪くするとは、どういうことなのか分からず、美哉は首を傾げた。

「槇はまあ、イケメンだし、将来有望なデザイナーだったのもあって、モテた。仕事振りだけ見てれば、まあ、惚れるね。それで、思い切って声を掛けたわけよ、あたしからね」
「あなたから」
「そう。ダメ元で彼女にしてほしいって言ったら、いいよって言うから、浮かれるじゃん?」
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