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恋の行方を探してください【完結】
第33章 【三十三話】楽しいひとときの後は
     *

 吟太と川村に手伝ってもらって、美哉は六人分のお昼ご飯を作り、そしてみんなと一緒になって食べた。みんなとわいわいと言い合って食べるのが美哉は楽しくて仕方がない。
 最初は不機嫌だった由臣だが、そんな美哉を見ているうちに、笑顔になってきていた。

 楽しい時間というのは、短く感じてしまう。お昼休憩の時間はあっという間に終わり、美哉は由臣と川村とともに槇のマンションへ向かった。

 マンションに着くと、パトカーが止まっていた。
 由臣は臆することなく近寄り、助手席の窓を叩いた。
 中から出てきたのは、スーツを着た勝千代。美哉は昨日のことを思い出して、赤くなっていた。

「どんなだ」
「試しに下から呼び出したけど、反応なし」
「で、令状は?」
「用意したよ」
「いつも悪いな」
「まー、由臣のおかげで事件の検挙率が上がって出世街道ですから、文句はありませんよ?」
「相変わらずの嫌みか」
「嫌みと言うより、これでも感謝してるんだけどね。……っと、美哉さんっ」

 由臣の後ろに隠れるようにしていた美哉に気がついた勝千代は、声を裏返して、こちらも同じく赤くなった。

「こ、こんにちは」
「あっ、あぁ。そうだ、美哉さんのカバン、見つかったよ」
「えっ」
「後で事務所まで届けに行くよ」
「ありがとうございます!」

 妙に初々しい会話を横で聞いていた由臣は、顔をしかめた。

「……むずがゆい会話をするな」
「よっ、由臣さんと違って、勝千代は紳士的だったしっ!」
「まさか勝千代みたいなのが好みなのか?」

 その指摘に、美哉はさらに顔を真っ赤にして、うつむいた。

「だってさ、勝千代。……って、こっちも真っ赤になって。おーい、仕事しようぜ、仕事」

 由臣の一言に、勝千代は赤い顔をしながらも、表情を引き締めた。

「それで、由臣の予想は?」
「ここにも死後一週間の死体があるとみている」
「……えっ」
「それは、どっちだ」

 勝千代はスーツのジャケットの内ポケットから手帳を取り出し、そこから挟んでいた写真を二枚、抜き出した。

「俺の予想は、槇の部屋に金山の死体があると見ている」
「金山というのは、こいつか」
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