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恋の行方を探してください【完結】
第34章 【三十四話】金曜日の修羅場
 女性は少し肩を落とすと、続けた。

「来店客はカップルが多いのか?」
「カップルか、女性同士のお客さまが多いですね。それで、本当はそのお二人、奥の席にお通しする予定だったんですけど、見た目のよい二人でしたので、お店の宣伝も兼ねて、窓際にご案内したんですよ」
「ほぉ?」
「それで、お二人、いい感じで食事を進めていたんですけどね、デザートが出る前になって……事件が起こりまして」
「事件?」
「食事が終わって、食器も片付いて、後はデザートという段になって、お二人の間の空気がちょっとおかしなことになってきていまして」

 というと、女性は首を傾げた。

「……といっても、どこがどうと言えないんですけど、急によそよそしいというか、ギスギスした空気というか」
「デザート前まではいい感じだったんですよね?」
「そうなんですけど……。結婚という単語が聞こえたのは覚えているのですけど、後はずいぶんと小声だったので聞こえませんでしたし、お客さまのお話に耳をそばだてるのもよろしくないですから……」
「結婚……」
「それで、デザートをお出しして、お会計、となったところで、目を血ばらせた女性が店内に乱入してきたと思ったら、そのお二人のところに来まして」
「え……その女性って」
「この写真の女性か?」

 と由臣は金山の写真を女性に見せた。

「そうです、この人です! 手に指輪を二つ持って、いきなりお店に入ってきて、金切り声を上げて、『あたしと結婚するって言ったのは嘘なのか!』と指輪を投げつけて……それで、そこのガラスにヒビが入りまして」
「……え」
「そうなるともう、お店の雰囲気、台無しですよ」
「…………」
「男性と一緒に食事をされていた女性は顔を真っ赤にしていましたし、男性は青い顔をして、お食事代と、ガラス代は払うから請求書はここにと名刺を置いて出て行きました」
「うわぁ……」
「その日はそこの席が使えなくなりまして、次の日、すぐにガラスは差し替えましたから良かったんですけど……そういえば、月曜日に渡された名刺の先にお電話したんですけど、お休みされているとかで……なにかあったんですかね?」
「なるほど、分かりました。ありがとうございます」
「こんな感じでいいですか?」
「充分すぎるほどのお話を聞けました、ありがとう」
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