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恋の行方を探してください【完結】
第38章 【三十八話】独占欲
由臣は頭を振ると、続けた。
「高木小夜は、どうしても槇にイエスと言ってもらいたくて、槇のマンションへ行った。そして、金山果代は、槇が高木小夜のプロポーズを断ったのをなんらかの形で知った。槇がプロポーズを断ったのは、金山果代と結婚をしようと考えているからだ、と都合のよいように考え、槇が部屋に帰っているのを確認して、合鍵で槇の部屋に上がり込んだ」
「え……」
「そこへ、もう一度、話し合おうとした高木小夜が部屋に訪れ、第二の修羅場と化す」
「…………」
「金山果代と高木小夜の二人は、お互い、以前から面識があった。さらには、高木小夜は、金山果代に悪い噂を流された挙げ句、店でのやりとりもあり、殺意を抱いていた。その上、槇の部屋にいた。逆上して、揉み合いになり、高木小夜は金山果代を殺してしまった……というのが槇の部屋での大体の真相だと思われる」
「……もしかしてそれで、事務所に来たときに痛そうにしていたのでしょうか」
「だろうな。槇の部屋で金山果代が死んでしまった。二人は慌てて高木小夜の部屋に行ったのだろう」
高木小夜の部屋に行かず、警察に行っていれば良かったのに、と由臣は呟いた。
「そうすれば、槇は命を失わなくて済んだのにな」
由臣は辛そうにそう呟くと、口を閉じた。
「高木小夜は、どうしても槇にイエスと言ってもらいたくて、槇のマンションへ行った。そして、金山果代は、槇が高木小夜のプロポーズを断ったのをなんらかの形で知った。槇がプロポーズを断ったのは、金山果代と結婚をしようと考えているからだ、と都合のよいように考え、槇が部屋に帰っているのを確認して、合鍵で槇の部屋に上がり込んだ」
「え……」
「そこへ、もう一度、話し合おうとした高木小夜が部屋に訪れ、第二の修羅場と化す」
「…………」
「金山果代と高木小夜の二人は、お互い、以前から面識があった。さらには、高木小夜は、金山果代に悪い噂を流された挙げ句、店でのやりとりもあり、殺意を抱いていた。その上、槇の部屋にいた。逆上して、揉み合いになり、高木小夜は金山果代を殺してしまった……というのが槇の部屋での大体の真相だと思われる」
「……もしかしてそれで、事務所に来たときに痛そうにしていたのでしょうか」
「だろうな。槇の部屋で金山果代が死んでしまった。二人は慌てて高木小夜の部屋に行ったのだろう」
高木小夜の部屋に行かず、警察に行っていれば良かったのに、と由臣は呟いた。
「そうすれば、槇は命を失わなくて済んだのにな」
由臣は辛そうにそう呟くと、口を閉じた。