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恋の行方を探してください【完結】
第50章 【五十話】忠誠の儀*藪田
 藪田は伊吹と吟太の二人がかりでベッドに押し倒され、下半身をむき出しにさせられていた。藪田自身はすでに立ち上がっており、それを見て、由臣は笑った。

「藪田、良い眺めだな」
「くそっ」

 由臣は藪田自身にコンドームをかぶせた。

「美哉、来い」
「…………」

 呼ばれて、美哉は躊躇したけれど、由臣が両手を開いてくるようにうながしてきたのと、紫紺が背中を押してきたのもあり、ふらふらと近寄った。
 由臣に抱きしめられ、懐かしい熱っ苦しさと柑橘系の香水の香りに、くらりとした。

「美哉……」

 名を呼ばれ、顔を上げると、由臣にキスをされた。
 舌を差し込まれ、くちゅくちゅと水音が耳朶を打つ。

「ん……っ」

 由臣との久しぶりのキスは、やはり甘く、気持ちがいい。
 それだけで身体が疼き出すのだから、やはり身体の相性はいいのだろう。

「よし……おみ、さん」

 唇が離された隙に名を呼べば、由臣は笑った。

「ようやく、美哉を抱きしめられた」
「……私のこと、嫌いになったんじゃなかったんですか」
「嫌いになるわけないだろう」
「だって、別れましょうって……」
「別れる? 別れられるわけ、ないだろう! それに俺から口が裂けてもそんな言葉が出るわけないだろうが!」

 別れられないという言葉を聞いて、美哉も同じ言葉を口にしたことを思い出して、複雑な気分になった。

「俺と美哉は比翼の鳥!」
「…………」
「別れられるわけがない!」
「別れるもなにも、付き合ってもないですけど」
「付き合う云々ではなく、俺たちは常にセットなのだ! 別れられるわけがない!」

 そう言って、ぎゅっと抱きしめて来た由臣の身体が、以前より細くなっていることに美哉は気がついた。

「由臣さん、ご飯、食べてました?」
「美哉が作るもの以外、食えないのを知っているだろう?」
「…………」
「なにを食っても砂を食ってるみたいにじゃりじゃりしてて、美味しくなかった。早く美哉が作ったご飯が食べたい」
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