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夏が来たら
第8章 秋が来る
性交後の気だるさが一気にやって来て、二人は手をつないでそのまま眠りに落ちた。


絢子は夢を見た。


夏の避暑地、秋生と二人で過ごす夢。


ボウタイでおめかしした、ジョーも一緒だった。


秋生は笑顔で、絢子も嬉しい気持ちだった。


それが二人の未来だったらいいな。


目が覚めた時、幸せそうな秋生の寝顔を見つめながらそう思った。


窓の外はすっかり黄昏時だった。


水彩画のような薄紅色と水色が、空のパレットで滲んでいる。


窓を開けると、秋の気配を包んだ風がさっと吹いた。


秋に生まれたから「秋生」。


去ってゆく夏と引き換えに、もうすぐ秋がやって来る。


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