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恋は盲目
第1章 私の片想い
「あっ!」

思わず声が出た。

何となく総司君の顔が思い浮かぶ。

今日慶太に言われたことと、総司君の顔が交互に浮かんで頭の中でごちゃ混ぜになっていく。


ブーブーブー

携帯の振動で我に帰る。

遅くなったので親からか、、もしかしたら慶太?

恐る恐る画面を確認すると、

「総司君」

心臓がギューーーっとなる。

慌てて出る。

「もっ、もしっ!」

噛んだ。


「ははっ!もしって!今大丈夫?」

「うん!大丈夫!」

「…あれ?今外?」

「あ、うん、家の近くの公園。星が綺麗だなーと思って見てた。」

「マジ!?さっきの流れ星見たっ!?」

「見た見たっ!総司君も!?」

「うん!や、それで電話したんだ!あんりに教えようと思って。」

胸がキュンキュンする。
流れ星見て私に電話してくるなんて、好きなんじゃないの?
もう期待させてどうする気なの!

「そうなの!?嬉しい!すごい綺麗だったよね!」

告白する前は自分の好意を伝えるのをためらってたけど、今は何だか素直に言える。もう好きだよー!って言っちゃいそう。
今の方が本当の自分で総司君と接してる気がする。

「あ、そういや友達の話って何だった?」

気にしてくれてたのかな?

「えっと…。その友達の友達が、私の友達の事が好きらしくって協力してくれって。そういう話だった。」

嘘は言ってない。

「へぇ、とか言ってそいつがあんりの事が好きなんじゃない?」

す、鋭い。
別に彼氏でもないのに後ろめたい気分になる。慶太が抱きしめたり手首にキスしたりするから!
あ!手首!夏なのに!
というかキスすらしたことないのにキスマークが先ってどうなの!?

と連想ゲームのように次々と今日の出来事がフラッシュバックする。

「もしもし?あんり?」

ハッと我に返る。せっかく総司君と電話してるのに。

「いや、本当にそんなんじゃないよ。そんな事言ってくれる人いたらねー。」

冗談ぽく言った。

「だめ。」

「え?」

「……や、何でもない。また塾で!」

そう言い残して総司君は電話を切ってしまった。
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