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恋は盲目
第1章 私の片想い
塾の日、前回よりは落ち着いている。
でもあの電話での事はなんだったのか。
やっぱり総司君はあの落書きをかくだけあって意味がわからない。

席に着くと、総司君も教室に入ってきた。

また、遅刻じゃない。

「今日はシャーペン持ってきた?」

出来るだけ自然にニコニコして言った。

「あっやべっ!」

総司君が慌てて鞄の中を確認する。

「あんり~!」

何度でも呼んで欲しい。

もうシャーペンなんて持って来なくて良いよって言いたい。
むしろ持って来ないで。

「はいはい、しょうがないなー」

ほころぶ口元が隠せない。
もう好きってだだ漏れかも。

はい、とシャーペンを渡す。

「ん?虫刺され?手首にって珍しいな。」

ぽろっ

「おっと。」


硬直した私を総司君は不思議そうに見た。

化粧なんてしないので隠すものもなくてそのままにしてたけど・・・

何でもないふりをして授業を受ける。

授業中、総司君とは反対側の隣に座る都ちゃんがコソッと話しかけてきた。

「ね、慶太に猛烈アタックされてるんだって?」

都ちゃんとは同じ中学だったので慶太の事を知っている。

でも西高なのに何で知ってるんだろう。
それよりも今の話、総司君に聞こえただろうか。

ハラハラしながら

「そんなんじゃないよ。からかわれてるだけ。」

と返した。

「そうなの?恋人扱いみたいだって聞いたよ。」

女子の噂ってすごい。
というか隣の高校にまで広まるってどんだけ田舎なの・・・
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