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狂い咲く花
第9章 一、水芭蕉 - 決心
「麻耶…どこにもいかないから…このままだと風邪ひくよ」

それでも葉月の身体から離れようとしない麻耶に負けて、彼女のやりたいようにする。
何かを話したいと言っていたのも思い出した。
それを伝えるためにこんな夜遅くに一人でやってきのだから気になってしまう。

「話したいことって何?」

「…」

泣き声が一瞬止まった。

「麻耶…話したいことがあって夜遅くに一人できたんだよね?」

小さくつぶやく。

「…こないの…」

「誰が?」

何を言ってるのだろうかと意味も分からず聞いてみる。

「…月のもの…」

「えっ??」

麻耶の言葉で血の気が失せていく。
男性に一生縁のない物でもそれが何なのか分かる。
それがこないという意味も理解する。

「母様が言ってた…身籠ったら月のものが来なくなるって…」

言葉が出てこない。
麻耶が言った言葉の意味を理解できなかった。
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