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狂い咲く花
第10章 一、猩々木 - 祝福

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──…

───…

なぜ…私と葉月がそこにいるのだろう…
私はここにいるのに…

目の前に私と葉月が楽しそうに話している。
その2人の足元には2歳ぐらいのかわいい女の子…
2人に手をつながれて満面な笑みを浮かべて2人を見上げている。
その子を愛おしそうに見る2人。

『あぁ…そうなのね。未来の私と葉月とかわいい私たちの子』

あと半年もすれば春日兄の結婚式が終わって私たちも結婚ができる。
だから、こんな夢を見るのね。
私たちの未来…幸せな未来。

私が葉月に何かを言っている。
顔を上に向けて…
きっと口づけをしてとせがんでる…
もう夫婦だから人前でも平気なのね。
だけど葉月の顔は先ほどと違って曇っている。

はぜ、葉月は口づけを拒むの?
なぜ、そんな顔をするの?

葉月は私を見た…目の前にいる私ではなくて私を…
そして声にならない言葉を私にくれる

『ごめんね』

と…

何がごめんなの??
3人幸せなんでしょう??

『俺が、未来を共にしたいのは美弥じゃないから』

えっ??
私…じゃない…?
だったら誰??
今、あなたの前にいる幸せそうに笑っている私は何??

『彼女は君じゃない…良く見て?君に似ている―――』

何??
聞こえない??
私に似ている誰??

『君に似ている、君の妹の麻耶だよ』

麻耶??
違うよ?
それは私よ!
麻耶じゃなくて美弥よ

私が私を見る。
にっこりと笑う私

『!!』

私の顔にひびが入って仮面が剥がれた。
その下に隠されていたのは麻耶の顔。

『姉様…私のフリをして葉月に近づかないで』

何?
どういうこと?
これは何??



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