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狂い咲く花
第10章 一、猩々木 - 祝福

『姉様。私と葉月は結婚したの。そしてかわいい娘を授かった。だから私の幸せを取らないで。私たちを祝福して』

麻耶?
何言ってるの?
それにその喋り方…
あなた…麻耶じゃない?

『私は私よ。姉様が知らなかった私の本性』

葉月…
説明して?
葉月が愛しているのは私よね?

『ごめんね、美弥…。俺が愛しているのは麻耶と2人の間にできたこの子だけだよ』

…そんな…

『ねぇ姉様?姉様が手にしているのは何?』

私の手…
何も持ってないわ

『そう?私の子供返して?』

手に生暖かいものを感じて見てみると、真っ赤に染まった子供を抱いていた。
驚いて放り出す。
地面に赤い血が広がり、その子は息は途絶えていた。

『姉様が殺したのよ』

違う…
私は殺してないわ

『なら、どうして姉様の手に血がついてるの?』

それは…

『姉様が私と葉月のかわいい子を殺したの。…ちがう…これから殺そうとする…姉様は人殺し』

違うわ

『人殺し…』

違う…

『人殺し…』

違う!
私は人殺しじゃない。
この子も殺してない

私は殺したりなんてしない!!

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