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第2章 知らぬが仏 〜夫 編〜

──翌朝の始発で帰らねばならないため、早めに床に着いたがなかなか寝つけない。そして香澄も眠れないらしく、隣で何度も寝返りをうっている。

「香澄…」

そっと手を伸ばすと香澄の肩がビクッとした。こんな反応は初めてだ。

それでも俺は構わず抱き寄せ、昼間しそこなったキスをする。

「ん…ふ…んん」

香澄の唇から漏れ出す吐息混じりの声がマスミさんの嬌声と重なり、興奮した俺はいつもより深く舌を差し込む。