この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
山猫と狼
第10章 完全なる結婚

「湯あみはいかがでしたか」


開け放した窓からの微風に吹かれながら物思いに耽っていると、寝室にクロードがやって来た。


彼は遠慮なくずけずけと部屋の中を進み、彼女の隣に腰を下ろす。


「昨夜はお楽しみでしたね」


クロードはロイの手を取り、さすりながら囁く。


彼女はぶるっと身を震わせ、彼の手を振りほどいた。


「さあ、今日こそは、二人の婚姻の契りを交しましょう」


クロードは、彼と目を合わさず窓の外に顔を向けるロイにそう言った。


ロイは無言だった。


この男に何を言おうと、無駄だ。


私が拒否すれば、こいつは私の大切な人たちに手をかけるに違いない。


私に残されているのは、こいつとの結婚のみ。


でも、・・・・・。


「そうそう、ロイ殿下。今朝あなたの兵士たちに会いました。皆さんとても元気でしたよ」


「・・・本当だろうな。もし手を出していたら、お前を殺すぞ」


ロイはクロードの目をじっと睨み、彼の言葉に嘘がないか探った。


彼は笑みを浮かべていたが、目の奥はぞっとするほど冷たかった。


「当たり前じゃないですか。彼らは大切な『お客様』です」


ロイは、クロードの言葉の裏にあるどす黒いものを読み取ろうとした。


こいつは、何かよからぬことを企んでいる・・・。


悪い予感が彼女の脳裏を過った。
/132ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ