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第9章 蜜月の4日間

一年の殆どを出張している彼。
決まったところに行くこともあれば、初めてのところに行くこともある。
行く先々で出会いを求めていることを私は知っていた。
連絡をとっている女性の中には、会ったことがない人もいれば、体の関係があった人もいる。

彼の優しさは罪つくり。
傍から見たら思わせぶり。
女性がその気になるのは当たり前。

彼は心に寂しさを抱えていることを私だけが知っていた。
一人の女性から愛されたいのはもちろんだけど、他の女性から嫌われたくない、好かれていたい。
それは過去に受けた女性との痛手から。

それを知っている私は、時には母のように、時には彼だけを愛する女として、全てを包んであげたいと思っていた。
何があっても彼を愛し続けよう。
そう、聖女のように。

愛する人が他の女性と仲良くしていることを平気な人はいないと思う。
平気な振りはするけれど。

私だけを見て…
心が時折叫び声をあげそうになる。
だから苦しくなる。
その苦しみとの闘い…