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輪廻
第2章 2XXX年4月1日
んぁああ…

くぁあっ…

親父でなく俺自身の声が出た。

『タブレット』を飲用すると、予め設定してある対象者のニューロンを伝わる電気信号を記録させてあり、映像に合わせて直接記録信号を脳内に送り込むことにより、バーチャル体感できる効果がある。

俺の対象者は3人、性別は本体の俺と同じ男だが年齢も住所も異なる3人だ。

対象者を選ぶことは出来ず、親父と、同い年くらいの男と、学生だ。


それで親父が御幸に突っ込んだモノに受けた触感の電気信号を直接脳内に受け止めたわけだが、
それは自身が受けた感触として認識するわけだ。

タブレットを常用していると、対象者の意識や記憶とリンクしやすくなり、夢として現れる。

嫌な印象の夢見と生理現象で、イキリ立って目覚めたわけだったが、そこに御幸のナカの感触がダイレクトに伝わり、思わず唸ってしまったわけである。


全く同様に体感、実感できるのは素晴らしいが、能動的に体感するのと、受動的に体感するのでは大きな差がある。

予測も思考もなしに体感する方が強烈なのである。
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